足まわりセッティング&回転寿司100km原付ツーリング【ホンダ エイプ】

サスペンションのセッティング出しと、お寿司を食べるために原付で100kmのロングツーリングを行いました。ちょい乗りでは気づかない足まわりの状態を確認するためのロング寿司ツーリングです。

Re:原付100kmツーリング

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先日交換したタケガワのリアサスペンションのセッティングを煮詰めるためにロングツーリングに出かけました。

ルートは前回の100kmツーリングと同じコース。以前は腰は痛いわ、手はしびれるわで散々だった原付100kmツーリングですが、あれからカスタムによって車両が大きくアップグレードしています。

シートに耐震ジェルシートを仕込んだり、フロントフォークのオーバーホールやスラストベアリングの組込み、ホイールバランスを取ったことで、以前より快適に移動できるはず。

そして、先日交換したばかりのリアサスペンションとペットボトルスプリングシートの性能を確かめ、セッティングを煮詰めるためのツーリングです。

セッティングツーリングに出発!

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目的地は片道50km先の「はま寿司」。途中でセッティングを変えられるように、工具一式をバッグに詰め込んで出発です。

サスペンション交換のために仕様変更した五月蠅いむき出しエアクリーナーはロングツーリングでは疲労の原因となるため、出発前に急遽ノーマルのエアクリーナーボックスに戻しました。

エアクリーナーボックスを取り付けてもサスペンションを調整できるスペースは確保できています。

100kmの行程は峠道・市街地・郊外道路の複合コース。路面の荒れた場所もあるためサスペンションのチェックには最適です。また、交通量が少ないルートなので車両状態と運転に意識を集中できます。

ロングツーリングはバイクの性能をさらけだす?

道中は感覚を研ぎ澄ませて車両の状態を吟味します。長丁場になると体力を消耗して余計な力が抜け、バイクのネガティブな部分がより鮮明に見えてきます。

フロントフォークに仕込んだスラストベアリングが仕事をしてくれて、道路の割れた箇所でも減速することなく何事もなかったように走行できます。

路面およびエンジンの細かな振動は100均の耐震ジェルシートが吸収してくれるため、サスペンションの仕事をしている様子だけがハッキリと感じ取れます。

先日、簡易的にセッティングしたタケガワサスペンションは荒れた路面でも上手く追従してくれています。締め上げたプリロードによって固さが感じられるものの不快感はありません。

路肩でバイクセッティング

とはいえ少々固さが気になり、途中で路肩にバイクを停め、リアサスペンションの伸び側減衰力を18段中4段目から3段目に弱め、最終的には2段目に落ち着きました。

伸び側減衰を弱めることで、路面の凸部で縮んだサスペンションが伸びる速度が早まるため、よりフラットな乗り心地になるようです。

秋田の道路は日本海中部地震の名残で、いたるところがヒビ割れています。また、冬季には除雪車が路面をさらに破損させるため、古い道路は路面補修でつぎはぎだらけです。

原付が走る左端はとくに補修跡が多く、足周りを固めすぎるとバイクが跳ねて危険です。

秋田や山形の道を走る場合は路面状態に細心の注意を払うと同時にサスペンションは柔らかめのセッティングに仕上げる必要があります。

秋田はまだ桜が咲いています。散り始めている場所もあるものの、今が最盛期です。(2021年4月23日現在)

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五城目町・森山と馬場目川

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三種町・石倉山(標高143m)

『はま寿司』と『えんがわ』が大好きです

全国展開する回転寿司チェーンでは、はま寿司が一番旨いと思います。そして寿司ネタではえんがわが一番旨いと思います。

脂の乗ったしっとりしたえんがわも好きですし、身のしまったコリッとしたえんがわのどちらも大好きです。はじめはえんがわ2枚。締めは、炙りえんがわ2枚がいつものパターンです。

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画像はイメージです。

世界の偉人もえんがわについて、数々の名言を残しています。

  • 『人間はえんがわを食べる動物である』河上肇
  • 『好むと好まざるとによらず、人間はえんがわを思う存在である』ウィリアム・テンプル
  • 『えんがわとは、全寿司の究極である』ミゲル・デ・ウナムーノ
  • 『ヒラメがなければ、カレイを食べればいいじゃない』マリー・アントワネット

あっ、はま寿司の割引券を家に置き忘れてしまいました……。

前下がりで気分下がりの帰り道

ツーリングの道中、日が傾きはじめると、なんとなく気分が滅入ってくるのは私だけでしょうか。外に身をさらして乗るバイクは寒さも手伝って、抑えきれない不安感が首をもたげてきます。

帰り道は、ひと気のない直線が延々続く郊外道路。ときおり後ろから車がやってくると安心感を覚えます。

それでも、トルクレンチを使って各部のボルトを増し締めした車体は以前よりも剛性感が上がり、任せてくれと言わんとばかりの頼りがいが心強く感じられます。

この道は平坦に見えてゆるやかに波打っているため、意外と車体の上下動が激しい道です。

リアはタケガワサスペンションのおかげでドッシリと安定しているものの、直線を一定速度で走っているとフロントのバタつきが気になりだしました。

フロントのバタつきはベアリングのせい?

バタつきはチャタリングのような振動ではなく、フロントが軽いミッドシップエンジンの四輪車のように、エイプのフロント周りが上下にピョコピョコとせわしなく動きます。

これはバネレートが高く、フロント荷重が足りない様子。もしくはダンピングが利いていない感じがします。

どうやら、スラストベアリングの厚さぶんの3.5mmのプリロードは、想像よりも大きくフロントフォークの動きに影響するようです。

突き出し量を増やして運動性能向上

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臨時措置として、前下がりにして前輪の接地荷重を増やすことにしました。リアの車高を上げるよりも、フロントの車高を下げるほうが作業は簡単だからです。

フロントフォークの突き出し量を0から12mmほどに変更。メジャーで簡易的に車高を測定すると、乗車時の地面からタンク前端の高さが5ミリほど前下がりになりました。

案の定、突き出し量を増やしたことでフロントの上下動が少なくなりました。上下動は依然としてあるものの、調整前よりも前後動作の割合が多くなった印象です。

それに加え、フロント荷重がかかりやすくなり、わずかなアクセルオフで曲がり込んでくれるようになったため、ライントレース性が格段に向上しました。

また、フロント下がりになったことで、肩の「つまり」がなくなって乗車姿勢が楽になる副次効果もあります。

ガソリンを入れて前輪荷重が増えたら、フロント周りの動きが幾分落ち着いた気がしますが、まだどこかせわしなさが感じられます。

フロントフォークのオイルをの油面調整、またはオイルの粘度を高めて減衰力を強めるか、フォークカラーを調整してプリロードを見直す必要がありそうです。

ロングツーリングでの燃費は前回とほぼ変わらず72.8km/L。荒れた路面で減速しなくてもよくなったぶん燃費が伸びるかと期待したのですが、それほど影響はありませんでした。

セッティングツーリングのまとめ

各部のカスタムによって100km走破して疲労感は皆無。おまけに腰の痛みも手のしびれも一切ありませんでした。エイプの仕上がりは上々です。

それに加え、この1年でバイクの乗り方がようやくわかってきました。走行状況によって姿勢を変えることを意識しつつ、最適な乗車姿勢を無意識下に覚えさせることが大切であると実感しています。

低速走行では前に座ってアップライトが比較的楽。高速走行では後ろよりに座りつつ前傾姿勢としながら、シートの傾斜を使って走行風に対抗すると身体の負担が軽減できます。

下半身で上体を支え、ステアリングで腕を突っ張らないようにすることで、グリップを強く握らずに済むため手のしびれも大幅に軽減されます。

バイクのセッティングも重要ですが、乗車姿勢も疲労低減方法として重要です。また、乗員の重量が大きな割合を占めるため、乗車位置でベストなセッティングは変わります。

ライダーありきの調整をしなければならない点がバイクセッティングの難しさであると同時に、気になる箇所をひとつづつ修正していくのもバイクセッティングの楽しみです。

タケガワサスペンションのセッティングのための100km走行は、新しい発見がたくさんあった意義あるロングツーリングでした。

「エン」もタケ「ガワ」(宴もたけなわ)でございますが、これにて失礼いたします。

 

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