【あとがき】アーマード・コア4小説【ネタバレ注意!】

WEB小説投稿サイト『ハーメルン』で執筆中だった『真説(親切解説)アーマード・コア4【非公認】』が完結しました。既存のストーリーをなぞる作業にもかかわらず、1年がかりでようやくエンディングまでこぎつけました。
ネタバレ防止や読後感を尊重してブログにてあとがきを綴らせていただきます。

2021年12月21日追記
AC4の発売から15周年して、同サイト内で新エピソードの執筆を開始しました。

アーマードコアとは

1997年にプレイステーションソフトとして登場した『アーマード・コア』(以下AC)はフロム・ソフトウェアが販売する3Dロボットアクションゲームです。

頭・胴・腕・足・武装などの各パーツを自由に組み合わせて三次元空間を自由に動き回れる革新的な要素に、当時高校生であった私は興奮して遊んでいたのをよく覚えています。

AC4はそれから11作目にあたる続編です。
ストーリーなどというものは皆無である歴代ACシリーズのなかで、AC4は比較的ナラティブな方ではあるものの、依然としてストーリーの全体像が掴みづらくユーザーフレンドリーではありません(それがACの良さでもありますが)。

そのAC4のストーリーを解説しつつ、不明瞭な部分を補完したうえでオリジナル設定も加えてキャラクター性や物語性を高めたのが本小説です。

小説を書くにあたって

この小説を書くうえで「ロボット小説として(ある程度の)リアリティを出すこと」「続編であるACfaと無理なく繋がること」を念頭において執筆しました。

リアリティの面では、重力加速度を意識させる描写や、爆発などの物理描写を緻密にすることで強調しています。

とくに、AC4のラスボスであるプロトタイプネクストの瞬間移動のような動きは人間の操作としてはあまりにも非現実的であり、それを実現するために、重力加速度の影響を受けない人格移転型AIをオリジナル設定として登場させました。

そして、AIが操縦するアーマードコアネクスト(以下ネクスト)に対抗するために設定した要素が、生身の人間でも簡易的に戦闘能力を高められる『高度神経接続負荷』です。
過剰負荷を表す「オーバーロード」と、AMSの光の逆流を表す「フラッシュ」を組み合わせた『高度神経接続負荷(オーバーロード・フラッシング)』という造語であり、ゲーム中ではアマジーグが使っていたものです。

AC4の原作ストーリに『人格移転型AI』と『高度神経接続負荷』を混ぜ込んだものが本小説の骨子となります。


主人公は腕利きの元傭兵であり、戦争で失った手足を補うために神経接続で操作するネクストに乘る設定とすることで、主人公が戦う理由と必然性、特異性を与えています。

また、ただドンパチ撃ち合って勝つだけでなく、ネクストの操縦技術に劣る主人公が、元傭兵の経験や機知を駆使して戦うことで戦術性を表現しています。

とくにAC4シリーズ以降のゲームは、射撃システムのロックオン機能が優秀になったため、これまでシリーズのように動き回るだけでは回避できなくなっており、敵のロックサイト範囲から逃れつつ、敵の銃口の向きや武器変更の挙動変化も戦術に織り込んで攻守を柔軟に切り替えなければ容易に勝てないようになっています。

そういったゲーム上の戦術部分も戦闘下での心理描写と組み合わせて表現したつもりなのですが、上手く伝わっていれば幸いです。

ストーリー面では、ゲーム本編では語られていない各企業の思惑や戦略、脇役キャラの一人称視点による思考、敵にも味方にもなるホワイト・グリントとジョシュア・オブライエンの行動理由などを考察して組み上げ、物語のバックグラウンドを固めているつもりです。

続編であるACfaのストーリーから逆算してキャラクターやセリフを決めているため、ACfaの設定と矛盾しないストーリーになっているかと思います。

最後に

小説を完結までこぎつけたのは本作が初であり、二次小説とはいえ、私にとってこれが処女作となります。
フリーライターとして仕事をしているため、執筆自体は苦ではないものの、書けば書くほど小説というものがわからなります。
そればかりか、文章の書き方自体がわからなくなる始末です。

それでも、約20万字を最後まで書き終えられたことは私にとって大きな自信となりました。
完結までこぎつけられたのは、読者の存在がリアルタイムで感じられるWEB小説環境ゆえです。
お読みいただいた皆様、お気に入り登録をしていただいた皆様、感想をお寄せいただいた皆様へ、心より感謝申し上げます。

 

現在は、第2部を執筆中です。

『第二部 Armored Core for bidden』は、原作エンディング後と『Armored Core for Answer』の間にあたる物語。霞スミカを準主人公役に据え、本編に登場したセロ/ミド・アウリエル/メノ・ルーら過去にも触れる完全オリジナルストーリーとなっています。

アーマード・コアとも親和性がある(と個人的に思っている)バンダイのプラモデルシリーズ『30 MINUTES MISSIONS』の二次小説を現在執筆しておりますので、あわせて読んでいただければ幸いです。